不眠を漢方で改善する為には?

不眠は漢方では『心に宿るもの』と捉えられています

厳しい残暑と夏の疲れで眠れないことはありませんか?

秋の夜長を眠れずに悶々と過ごすのは辛いものです。

不眠と言っても寝付きが悪い、眠りが浅い、朝早く目が覚めるなど様々ですが、漢方ではさらに神=意識は脳ではなくて、「心」に宿るとされ、心、腎、脾胃、肝などの臓腑が関係するとされています。

そのために、眠らせると言うよりは体調を整えて自然な眠りを呼ぶ様な感じです。速効性は西洋薬より劣りますが、習慣性もなく、漢方なりの良さがあると思います。

漢方の世界では、明の時代に書かれた『景岳全書』には、「不寐(不眠のこと)はいろいろの病によって起こるが、ただ邪正の二次に尽きる。」と書かれています。

つまり、邪気によって神(精神)が攪乱されるか、営気、血が不足して神を養えないかのどちらかに分類されると言うわけです。

とは言っても、前述したとおり、心、腎、脾胃、肝の各臓器と、それらが作り出す血、並びに精が充足して初めてよい睡眠が得られるわけで、どこか一つの臓器のみに帰結させることは必ずしも出来ません。

一応分類を下記に表で示しますが、いろいろなことが関連していると考えてください。

不眠の原因を漢方的に分類

不眠の原因を漢方的に分類すると…
①情緒失調
②心痺両虚
③心腎不交
④肝欝血虚
⑤胆熱内擾
⑥胃気不和
となります。以下に症状などを示します。

不眠の症例
病因 症     状 方剤
心脾両虚 寝つきが悪い、夢が多い、眠りが浅い
動悸、食欲不振、食後にお腹が張る、顔色が悪いなど
帰脾湯
加味帰脾湯
甘麦大棗湯
心腎不交 手の平や足の裏が熱っぽい、イライラする、寝汗
のどが渇く、忘れっぽい、耳鳴り、腰痛など
天王補心丹(エキス剤にはない)
六味丸+桂枝加竜骨牡蛎湯
肝欝血虚 寝つきが悪い、夢が多い、驚きやすい
ため息が多い、怒りっぽい、イライラするなど
酸棗仁湯
痰熱内擾 イライラする、めまい、頭痛、口が苦いなど 竹じょ温胆湯
胃気不和 食べるとお腹が張る、吐き気、嘔吐、げっぷが多い
下痢または軟便になりやすいなど
調胃承気湯

この表には①に挙げた情緒失調は含まれていませんが、七情と呼ばれる「喜・怒・憂・思・悲・恐・驚」のうち、「怒・憂・思・悲」が特に不眠との関係が深く、それぞれ、怒→肝、憂(悲)→肺、思→脾に関係しています。

ここで肺が出てきましたが、肺は気を作る場所であり、気が足りなくなると臓器の機能が落ちます。特に母子関係にある腎の働きが悪くなり、さらに肝の働きを抑えられなくなり肝気が上に行きやすくなり不眠を引き起こすとご理解下さい。

以上のこと以外にも、体温が関係しています。

体温と言っても体の中心の体温(深部温と言います)で、普通の体温計で測る温度ではありません。

この深部温が、眠たくなる(眠気を感じる)2時間くらい前から下がり、目が覚める2時間前くらいから上がります。

子供の手足が温かくなるのは、手足の血管が開いて熱を逃がしているためです。

従って寝る直前に暖まるために長時間入浴するのは逆効果で、特に女性は温度が冷めにくいので、なるべく早めに(出来れば入眠の4時間程度前に)入浴することが肝心です。男性は1時間程度前なら問題ありません。

それから前述したように暴飲暴食は不眠の原因となりますが、遅い時間の食事も消化のために魂と魄が休めなくなり睡眠の質を悪化させます。

アルコールもナイトキャップと称して飲む方もいらっしゃいますが、眠りそのものは浅くなる傾向にあります。カフェインの摂取は言わずもがなですね。

また、以前にブログにも書きましたが、「子の刻」は寝られなくても横になっていることが重要です。陽の始まりを大切にしないと翌日に響きます。

よい眠りで、生活リズムを整え、健康を維持してください。老化の予防にもつながります。

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